【コラム記事】
デザイナーの売上アップ術。
「知覚価値」という視点
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こんにちは。
日本パーソナルビジネス協会
理事の西尾順です。
今日は「知覚価値」について
話そうと思います。
<知覚価値>とは・・・
・商品やサービスに対する印象としての価値。
・本質的な価値ではなく、あくまでも印象。
・お客さんが商品に対して抱く品質や
費用に対する総合的な価値判断のこと。
少し分かりにくいの
カンタンに説明すると下記のようになります。
例えば、
あんパンを買うとして、
いくらだったら買いますか?
だいたい100円〜200円くらいですよね。
これが商品に対して抱いている価値です。
そのときに頭の中で
自分の中のよく見る「あんパン」を
思い描いたと思いますが、
これが印象になります。
この頭の中で思い描いたイメージのパンよりも
品質が低いモノは購入しないと思いますし、
思い描いた品質だとしても、
予想以上の価格だったら購入しないと思います。
つまり、人は・・・
これまでの体験の中で、
商品の価格や品質を決める基準があり、
ゆっくり1週間考えてから
購入するのではなく、
その場の印象で価値判断をして、
購入を決めていることになります。
これが「知覚価値」になります。
これは、わたしがデザインや
ブランディングを行っていたときに
よく使っていた考え方です。
長年、仕事をしていると
「売れない商品」や、
「お客さんがこないお店」に対して
早く売上を上げるためにどうしたらいいのか?
というご質問を受けることがあります。
そこで最初に考えるがこの考え方です。
当時は、商品を買いやすくするために
店頭POPやパッケージを変えたり、
お店の看板を変えたりしていました。
次に、
実際デザインの現場で行っている
知覚価値を高める4つの要素を
ご紹介したいと思います。
・デザイン
・商品名
・キャッチコピー
・先入観を崩す
この4つが大事な要素となります。
そもそも商品が購入されるのは、
「良い商品だから売れるのではなく、
良さそうな商品が売れる」
という法則があります。
では、どうやって
「良さそうな商品」にするでしょうか。
●「デザイン」
その一歩として最初に考えるのがデザインです。
最近は、デザインのテンプレートや
フリー素材がたくさんあり、
自分自身でもデザインをすることができますが、
やはりプロに頼むと、ある一定の品質以上の
デザインになります。
よっぽどのことがない限り、
デザインを変えると売上が上がります。
●「商品名」
次に考えるのが商品名です。
沖縄限定の「N88」は美味しい!と言われても
たぶん「美味しそう」「食べたーい!」と思わないと思います。
沖縄限定の「きなこもちアイス」美味しい!と
言われたら、どうでしょうか?
同じものだとしても、
その印象は全く違います。
●「価格」
次に考える大事な要素が価格です。
本当は価格から考えたいのですが、
原価もあるでしょうし、相場もあるので
お客さんが一番抵抗する項目であるため、
デザインやブランディングでは、
気を遣う部分でもあります。
では、なぜ価格が大事かというと
【価格=ブランド】だからです。
人は「安くて良いモノを買う」と思われがちですが、
みんながみんなそういうわけではありません。
労働価値として、価格帯が決まっている生活用品や
消費材として多くの人に使われる商品ではなく、
効用価値という、特定のお客さんが
望む結果(欲求や幸せ度合い)に対して
商品の価格を決めている商品では、
逆に安いと不信感を感じてしまいます。
例えば、
人に贈り物をするとして
ポストカード(12セット)が 100円と聞くと
買いやすいと思いますが、
ダイヤモンド(2.4カラット)が 100円と聞くと
ちょっと考えると思います。
ましてや彼女への贈り物として、
100円のダイヤモンドは「大丈夫かな?」と
思ってしまいます。
ブランディングでの知覚価値では
価格は重要な要素となります。
●「先入観を崩す」
最後に先入観を崩すことを考えます。
商品やジャンルやカテゴリーによって
常識的な価格や品質という
「顧客が体験によって固定化した先入観」
があります。
先入観を崩すために、
安いなら、安いなりの理由
高いなら、高いなりの理由が必要です。
たとえ、無料であっても、
理由がない商品は怖くて手にすることができません。
そのためによく使うのが、
・期間限定
・地域限定
・新商品
・わけあり商品
・タイムセール
・こだわり
・モンドセレクション受賞
・1万人のユーザーが選ぶ
・女子高校生が考えた など
よく先入観を崩すための理由として使われます。
●その他
その他にもブランディングの視点では
下記のような点で考えていきます。
1.品質の保証
2.成分や原材料の品質
3.リアルな感覚に訴える
(シズル感の水しぶき)
4.製造現場の取り組み
5.産地や場所へのこだわり
6.独自な製法
7.新しいテクノロジー
8.お届けまでの品質
(3日以内、すぐ冷凍保存)
9.研究開発の道のり
10.希少性
11.伝統
12.これまでの実績
13.社会的証明(受賞や表彰)
14.メディアや著名人
15.用途(宇宙でも使われています)
16.ユーザーに語ってもらう
17.スポンサーシップ
(オリンピックを応援しています)
18.こだわりや哲学
19.専門性
20.共同開発
21.広告からの消費者への
コミュニケーション
「知覚価値」について
いろいろと書いてみましたがいかがでしょうか?
きっとデザイナーさんは、
実際の制作体験から
自然とこのようなアクションで
課題を解決していると思います。
しかし、なぜ考えているのか?
知覚価値という言葉を知るまでは
感覚的に理解しているだけで、
やってる理由が分かりませんでした。
「商品が売れない」と感じたときに
4つの要素を思い出してみてください。
今日もありがとうございました!
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日本パーソナルビジネス協会
理事/企業顧問
西尾 順 / Jun Nishio
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