【JPBA親川】「今日が最後の一日」なら生産性は高まる

メディア掲載 親川 政明(JPBA代表理事) JPBA経営者コラム

2018年9月から全国紙新聞「サンケイビジネスアイ」朝刊とフジサンケイグループWebメディア「Sankei Biz」に弊社代表の親川政明による執筆で経営コラム記事連載を掲載しました。当経営コラムは掲載コラムをノーカット版でお届けします。


フジサンケイビジネスアイ
2018年11月13日掲載
【経営コラム連載第10回】
「今日が最後の一日」なら生産性は高まる
http://www.sankeibiz.jp/business/news/181113/bsg1811130500004-n1.htm


【ノーカット原稿版】

米アップルの創業者である故スティーブ・ジョブスが2005年にスタンフォード大の卒業式で行ったスピーチに、こんな一説がある。「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを本当にやりたいだろうか。答えが何日もノーのままなら、何かを変える必要があると悟る」-。
今年も早いもので11月半ば。「今日が最後の一日」なら、どんな会社にしたいのか、どんな社長でいたいのか、どんな社員でいたいのか、どんな私でいたいのか。「会社の目的」や「人生の目的」が明確になれば「今やっていること」を立ち止まって考え、精査して新しい取り組みが生まれることで生産性を上げられる。また「目的」を明確にした後は「目的と無関係なことは横に置く、やらないでおく」ことが生産性向上のカギとなる。
個人にとって会社勤務やビジネス事業者の目的は「生計」「生きがい」などが多い。「会社の理念」は「個人の人生の理念」と一致したときに効果的に生きる。社員自らの「人生の目的」が達成できる会社や仕事があれば、人は生き生きと働く。だから社員の声に耳を傾け、達成したい夢、生活水準を聞いて「個人の理念」を明確にし、会社が「個人の理念の達成」を支援することが望ましい。結果的に「会社の理念の達成」につながる場合がある。
当社は11月から「週1日の6時間労働制」を取り入れた。経営理念は「豊かな社会を共に創ろう」だ。豊かな社会とは「時間、経済、精神」のゆとりある状態のことであり、顧客、社員、会社がゆとりある状況を「共に創る」仲間であろうとしている。
必然的に、社会が必要とし、「十分な売り上げ・利益」が確保できるような事業だけを行い、十分に顧客に還元できるような体制を整え、同時に社員にも豊かな生活を提供できる「極限まで労働時間を削減した経営の仕組み」にしなくてはならない。その結果、社員自身が「豊かな生活への期待と達成」によって、業務の仕組みを整えるという好循環が生まれる。
具体的には、業務は極力、ITによる自動化を行い、付加価値の高い業務以外はすべて社外に業務委託をしている。自社でやるものに関しても作業の手順化、標準化を行い、同じ過ちを二度としないよう最適化を繰り返している。それらを「社員自身の工夫」によって行うのが特徴だ。
業務の「創意工夫」は人工知能(AI)だけでは解決できないことがある。AIは豊富な手段を提供するが、「こうなりたい」という「目的」を知っているのは自分だけだ。「目的」を明確にすることで「手段」も明確になり、生産性もアップする。より良い人生を目指し、「何のために」今日を過ごしているのかを再確認してみよう。

 

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