【社長経営コラム】No.002
《Part 2》社長が3ヵ月不在でも、事業が伸び続ける
「仕組みで回る経営システム」の作り方とは?
ビジネスを作るのか、成長する組織を作るのか
今日のテーマは『 社長が3ヵ月不在でも事業が伸び続ける「仕組みで回る経営システム」の作り方とは? 』について Part 1(前編)/ Part 2(後編) に分けてお話ししたいと思います。
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前回のコラム(Part 1(前編))でお話ししたように、「社長を目指す事」と「経営者を目指す事」。または、「儲かる事業(会社)をつくる事」と「稼ぐ組織をつくる事」は根本的に違います。
しかし、残念ながら【儲かる事業の仕組み化】と【稼ぐ組織の構築(採用・教育・解雇)】という2つの過程を経験した人は少なく、多くの社長は自身の失敗した現場体験から覚えるしかありません。
そこで我々JPBAでは【経営の教習所】として、車を安全運転するように、ビジネス・経営、会社を安全運転してほしいという願いで「事業の仕組み化」と「組織設計」を学べるカリキュラムをお伝えしています。
「なんか違うけど、現状維持を目指してしまっている」または、社長が「頑張って売上を上げる」というのではなく、頑張らずに仕組み(経営システム)で売上を上げ、社長が現場から抜けて、社員やスタッフといっしょに会社を成長させる方法をお伝えしています。
社長が頑張ると売上が下がる!?
会社経営の「仕組み」が完成している・・・
ということは、社長がいなくても、自動で事業が回り、自然と見込み客が集まり、顧客に継続的に選ばれ、高収益を達成しながら成長していると言うことになります。
この場合、社長が別の社長に代わっても、
あるいは社長が毎日現場に行かなくても、
大丈夫な状態となります。
いちいち細かい指示をいわなくても、1言えば10わかる優秀な社員・スタッフが、プロとして仕事力を発揮し、やりがいを感じながら、毎日、業務をこなしてくれます。
むしろ、社長が毎日いると、社員・スタッフは、何でも出来る社長を頼り、「自分で考える事、解決する事、仕事から学ぶ事」を止めてしまいます。
その結果、社長が・・・
社員・スタッフよりも「頑張る!」と
逆に売上が下がってしまう傾向にあります。
もしも、会社として根本的な業績アップや体制を整えるなら、頑張る社長を目指すのではなく、会社の仕組みで業績を上げる社長を目指す必要があります。これは、社長から経営者へのキャリアアップとも言えます。
社長として孤独に1人で頑張るのではなく、社員やスタッフとみんながやりがいをもって頑張ることが重要です。
売上1億円を「売上10億円の会社」にする方法
会社立ち上げ時は、職人である社長が技術力と営業力で、仕事をはじめるところから始まります。
徐々に売上も上げり、仕事が増えてきたら、次に仕事を分業化して行き、社内スタッフや外部のフリーランスに任せられる状態になると、親方として、チームを動かす現場監督(マネジメント)が仕事になっていきます。
次第に、サポートしてくれる右腕が増えてきたら、次に、社長の代わりに現場を回す次世代リーダーを増やして行きます。
この過程で、社長に仕事が集まり、社長しかできない仕事から、社員やスタッフ全員が社長がいなくても同じクオリティし仕事ができる【仕組み】をつくり、社長が現場から離れれば売上は10億円以上になっていると思います。
ここでまず社長にやらないといけないことは、社長が【もう現場に出ない】と決めてもらう事から始まります。
これが決められないと、今まで通りの社長が1人で頑張る会社となり、売上は横ばいか、数億円で止まってしまいます。ですから、最初に「社長が現場に出ない」と決めることは、同時に『会社は社長がいなくても成長する仕組み』に変える事に繋がります。
何度も言いますが、目指すは「社長がいなくても、各部門が組織として、業務を分担し、機能を発揮することです。与えられた目標達成と業務の改善のために、考え、行動し、それを実現していく」という、会社であり、そんな理想な状態を「組織」として目指します。
では、実際に【業務分担】を洗い出してみましょう!
そもそも社長が行う仕事は3つです。
1)売上を増やす
2)費用を減らす
3)資金繰り
この3つをさらに詳しくお話しすると次のようになります。
<売上増>
ブランディング
商品開発
マーケティング
WEB販促
対面営業・企画
納品
<費用減>
マニュアル化(IT化と改善)
人事(採用、教育、解雇)
物品(購入、破棄、管理)
間接費(経理、事務、環境整備)
<資金繰り>
売上金回収(決済)
資金調達(借入、ファンド)
以上のように、社長がやってきた業務を洗い出し、分担できるように小さくして、社員にやってもらいます。業務を分担するためには、これまでの業務で培ってきた教訓やナレッジをマニュアルに蓄積し、誰でも出来るように仕組み化して、会社全体で展開するサイクルを回して行く必要があります。
社長が不在でも、仕組みで回る経営システムとは・・・社長が3ヵ月間不在でも、または現場を離れても「事業が成長し続ける」仕組みをつくるということです。
出来なくても......まずは目指そう!
どこの社長も、一度は「社長が現場を離れて事業を回そう」と努力されるのですが、仕事が出来る優秀な社員一人に仕事が集中してしまい、業務が回らない状態になりがちです。離職率が増え、3年で7割は辞めてしまう。ということにもなりかねません。
社長のマンパワーで苦労して回してきたことを、
そのまま別の人が同じように回そうとしても出来るわけもなく、
優秀な1人に仕事が収集してしまう・・・というこの構造を早急に変えないと、今後、事業拡大して業務が増えたときに、スタッフを増やしても空回りするだけですぐに業務がパンクしてしまいます。現場がパンクすると、ミスが増えて、売上をあげる活動が逆に、損失を増やす活動に転落してしまう赤字会社が誕生してしまいます。
・・・でも、難しい。っと諦めれてしまえばそこで終わってしまいます。
まずはできなくても…目指すことが大事になります。
そのためにも、社長が1人が経営を背負うのではなく、社長が独学で会社を回すのではなく、そもそも「経営とは何か?」、「ビジネスと経営は何が違うのか?」「商売とビジネスと経営は何が違うのか」学ぶことが大切です。
経営は技術です。やれば誰でもできます。
まずは会社を安全運転できる「経営の技術」の習得を目指して行きましょう。
最後までコラム記事を読んでくださり
ありがとうございます。
JPBA代表理事 西尾 順
【《 Part 1(前編)》続きはこちら】