【JPBA親川】6ヶ月で売上が7倍になった「経営戦略の立て方」

親川 政明(JPBA代表理事) JPBA経営者コラム

2018年9月から全国紙新聞「サンケイビジネスアイ」朝刊とフジサンケイグループWebメディア「Sankei Biz」に弊社代表の親川政明による執筆で経営コラム記事連載を掲載しました。当経営コラムは掲載コラムをノーカット版でお届けします。


フジサンケイビジネスアイ
2018年9月04日掲載
【経営コラム連載第1回】
「企業理念を経営ツールとして機能させる」
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180904/bsg1809040500002-n1.htm


【ノーカット原稿版】

「5ヶ月以内に売上を5倍にしないとあなたの会社は潰れます。」これはフィクションではなく地方のインテリア会社であった実話である。バブル期はかなり儲けを出していた創業数十年の会社が、近年は赤字が続き債務超過に陥り、駆け込んできたクライアントの状況を分析して出した私なりの結論であった。そして、その経営改善のために白羽の矢が立ったのもまた、私である。
今まで数々の改善を支援させていただいたが、どの業種、業態であっても年商10億円までの経営課題はほぼ同じ手順で、同じ内容の問題が起きる。ちなみに、先のクライアントの結末だが黒字体質になる「経営の仕組み」を経営者と共に全力で組みなおし、3年連続赤字は2ヶ月で黒字転換。実際に5ヶ月で売上が5倍になった。
別の事例としてタイトルにある「6か月で売上が7倍になった」会社をご紹介する。この会社の「商品」は商品力があり、使うと手放せなくなる商品ではあるが、新規事業で知名度や信頼度が低く、「商品は素晴らしいく画期的が故、なかなか理解されない」そのような状況で集客も苦戦していた。
そこで、PBFを使ってみる。PBFは私が経営改善を行うために作った「パーソナルビジネスフレームワーク™」の略で成功するビジネスの基本概念である。PBFはビジネスの成功要素は「理念・仕組み・行動」が第一の掛け算であり、第二の掛け算は「信用・商品・販売・集客・継続(ファンづくり)」であると位置付けている。これらの要素が一つでも極端に欠けると事業の成長が止まることが多いことを年商数十億円規模から個人事業主まで多くのクライアントを通じて、経営現場で学んできた。
まず初めに手を付けるのは「理念策定」であることが多い。経営理念は「誰に、どんな事業で、どんな未来を創るのが私たち会社(事業)の目的か」を短く、わかりやすく、まとめなければならない。
生きた理念は社長室の後ろにある「飾り」ではなく、経営ツールとして機能する。理念が従業員、顧客にまで浸透し、理念に賛同した魅力ある人材を惹きつけ、人材が理念に従って商品を創り、顧客に届ける。この一連のプロセスと手順が大切で、多くの会社の改善で初めに手を付けることが多い。
先の会社は理念策定から新商品開発を手掛け、既存商品から「単価が6倍」となる非常に価値の高い商品を開発した。また、それに伴いパンフレット、ホームページを一新し、「商品を本当に必要としている来てほしい顧客に、商品を提供する」というシンプルな顧客導線ができた。
単価を上げたことで客離れが起きるかと思いきや「他者を比較すると長い目で見て結果的には安い」ことが理解され「単価を上げても顧客から選ばれる会社」に成長を遂げた。結果、2か月で売上が約2倍、6か月では売上7倍を達成することができた。
もし、会社の成長で躓いた時には「私たち事業の目的、目指す未来、価値」を明確にするところから始めてみてはどうだろうか。集客や商品開発は理念で大きく変わるのだから。
この連載では「売上アップと労働時間削減を同時に達成できる経営の仕組み化」について実際の事例を踏まえながらご紹介したいと思う。

 

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