【JPBA西尾】No.010:年商10億円の条件から考える1社あたりの顧客生涯価値(LTV)について(前編)

西尾 順 JPBA経営者コラム

【社長経営コラム】No.010

No.010:年商10億円の条件から考える
1社あたりの顧客生涯価値(LTV)について(前編)

こんにちは。

社長が経営を学べる協会
JPBA理事の西尾順(にしおじゅん)です。

このコラムは5000人の経営相談から
ピックアップして社長の会社経営を
お話ししています。

本日の【社長経営コラム】は

年商10億円の条件から考える
1社あたりの顧客生涯価値(LTV)について(前編)

をテーマにお話ししたいと思います。

強い事業は生涯顧客価値(LTV)を踏まえて設計されている

前回のコラムでお話しした【強い事業(詳細はコラム8,9を参照)】をつくる際に、3つ大事な事があるとお話し致しました。1つ目に「良い商品」、2つ目は「良いお客様」、そして3つ目は「強い販売力」という3つです。そして、強い事業が出来たら、それを実行する上で優先すべきことを今日はお話ししたいと思います。

強い事業を行う際に、最も優先するのは、【 顧客生涯価値=LTV[ Life Time Value ](以下、LTV)】です。

これは、「1社と取引をスタートさせて、その取引が終わるまでにいくら売上を得られるか」という事を指します。

このLTVの計算方法は、事業によって変わります。

例えば、コンビニの場合、近所に住んでいる人が、1回の買い物の際に購入していただく金額は平均700円以内と言われています。毎日365日コンビニ通い、仮に3年間住むとしたら、700×365=25万5500円×3年で、一人の顧客から76万6500円をいただいていることになります。

ハウスメーカーの場合、何度も家を購入する人はいませんので、1回販売して、大きく儲ける形で単価を得ます。

食品メーカーの場合、商品1つは安価でも、多品種のものを大量に小売店に流通させて、長い期間繰り返し販売することで単価を得ます。

機械設備では、機械の販売と継続的なメンテナンスで単価を得ます。そして、定期的な大きなメンテナンスで、ほかの機械の追加販売や入れ替え時に販売を行います。

1件の顧客から得る生涯顧客価値(LTV)が、その集客コスト(CPA=顧客獲得費用)や社員が動いた手間(原価、納品のコスト)に見合っているかが重要になります。逆に言うと、最初に手間が掛かっても、長期間取引が行われ、集客コストや社員の手間が減ることが大事になります。特に、デザイン業のように、お客様の課題や要望に応じてカスタマイズし、商品提供している事業は、この視点が重要となります。

わたしは、このJPBAという経営の協会理事の他に、もう1社、デザインとブランディングの法人会社の代表も行っています。その会社では、年商1000億円規模の外資系グローバル玩具企業のパッケージデザインとブランディングを14年間に渡りお手伝いさせていただいます。

LTVは(売上平均単価×顧客が離脱するまでの受注数)になりますので、14年に受注をいただいた金額を累計すると、1社からの大型受注を受けた時の金額の数倍の売上になります。

大手企業と14年という長い期間に取引してもらえる理由として、大きなLTVを得るために下記の点を最初に強化して行いました。

大手企業とお付き合いするための「受注プロセス・システム構築」

前述でお話ししたように、大手企業と14年間にわたりお付き合いし続けるためには、初期投資として、下記のような受注プロセスシステム構築を行いました。

<大手企業とお付き合いするための【受注プロセス・システム構築】>

1)デザイン案件ごとに、依頼から納品まで「受発注システム」を構築
   (デザインの依頼に慣れていない事業に教育と業務の仕組み化を行う)
2)クライアントと弊社で、すべてのデータを無料で共有し、
  すべてのデータをこちらでバックアップ保管(古いデータの問い合わせにも対応)
3)案件事の見積もりを無くし、事前に料金表を作成(年間発注予定)
4)デザイン相談室を設ける(デザインで困ったら無料で相談を受ける)
5)商品名、キャッチコピー、ライティング、注意文、統一マークなどのデザイン提案
6)JIS(日本工業規格)に対応したデザイン表記の対応
7)ブランドの統一感、「らしさ」などトーン&マナーのルールづくり

とこのように最初に導入コストを掛けて、多岐にわたる支援を行いました。手間は掛かりましたが、しっかりと「手間に見合った単価」を確保するためでもあります。

少しだけ、大きなLTVを得るために行った「ブランディング事例」をご紹介したいと思います。こちらは商品のデザインを行う前のブランディングとして、大量の商品が同じブランドとしての世界観を持ち、統一感あるものするための「スタイルガイド」になります。

取引会社の悩みとして、元々は印刷会社でデザインを行っていたそうですが、ブランディングやスタイルガイドのような所までは対応してもらえなかったという課題があり、またそれ以外にも問題を抱えていたので、それをできるだけ解決したいと、惜しまず事業支援を行いました。

普通のデザイン会社の領域を超えて、手間が掛かることばかりでしたが、なるべく多くの問題に着手しました。専用サーバを設置したり、事業の仕組み化・効率化を図ったり、時には、その会社で「ブランディング講習」「デザイン実習」などの社員教育をしたりと、短期的には大赤字です。しかし、LTVを考えれば黒字になる勝算がありました。

また、LTVを上げるために、戦略より下の機能や戦術にしか関われないデザイン案件を減らし、ブランディングやデザイン経営、企業顧問、エグゼクティブコーチングなど、川で言うと上流から関わることで、社長様や担当者の右腕となり、コンサルタントのようにマーケティング相談から、経営、戦略、戦術と一貫して事業支援できることで、さらにLTVが伸びやすくなりました。

ではなぜ、ここまでしてLTVを意識したのかについて詳しく後半でご説明したいと思います。
(・・・後編へ続く)

最後までコラム記事を読んでくださり
ありがとうございます。

JPBA理事 西尾 順

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JPBA専務理事 西尾順

一般社団法人 日本パーソナルビジネス協会(JPBA)、日本で唯一の実践経営と経営人材育成が行える協会、専務理事・組織設計アドバイザー。企業経営の存続を左右するブランディングの世界にあって、東京都から「経営人材の教育事業」として経営革新の承認をいただき、80%の企業で売上アップの成績をあげる。中小企業の経営相談数は、5000社以上を超え、1年を通してアメリカ・マレーシア・日本の各地から社長様・経営者様のご相談を伺う。その結果、事業の仕組み化、組織設計、会社経営など、ブランディング経営を通した顧客満足度は非常に高く、年に10回、日本各地やオンラインで行われるセミナーや勉強会に、数多くの経営者が詰めかける。また、ブランディングからデザインを一貫して行う「株式会社 クール・アンド・クレイジー」代表取締役として活動する。

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